公開シンポジウム「身体・社会・感染症―哲学・倫理学・宗教研究はパンデミックをどう考えるか―」

イタリアの作家パオロ・ジョルダーノは次のように書いている。
 「すべてが終わった時、本当に僕たちは以前とまったく同じ世界を再現したいのだろうか」。
 コロナウイルスが第一に蝕むのは我々の身体だが、それを通じて、社会も大きく蝕まれる。今回のパンデミックは、新自由主義とグローバリズムの限界を露呈したと言われている。また、我々の社会が抱える根本的な不正義と脆弱性も露わになってきた。身体をもって社会に住まう我々という存在のすべてのレベルにコロナウイルスは影響を与えた。パンデミックについて、人間とは何かを問い続けてきた哲学・思想は何を語りうるのかが問われている。
 また、パンデミックの「終息」と経済・社会・教育活動の「再開」という言説は、「もとにもどる」のが望ましいのだという前提を隠しもっている。それでいいのか。もとにもどることを期待するのではなく、パンデミック後(あるいは永遠に続くパンデミック中)の生き方と社会のあり方はどのようなものであるべきかをあらためて考えること、それこそが思想・哲学がなすべきことである。
 パンデミックにともなって生じたさまざまな問題のうち、既存の哲学的枠組みで掬い取れるものを扱う、というやり方ではなく、哲学思想研究のやり方や枠組みじたいを変えていく必要もあるかもしれない。本シンポジウムを「パンデミック後の世界」の理念をともに構想する第一歩としたい。

イベント概要

日時 令和 2年12月 5日(土) 13:30~17:00
開催地 インターネット上でのオンライン開催
対象 どなたでも参加いただけます
定員 300人
プログラム
司会 小林傳司(日本学術会議第一部幹事、大阪大学COデザインセンター特任教授・大阪大学名誉教授)
13:30 開会挨拶
戸田山和久(日本学術会議連携会員、名古屋大学大学院情報学研究科教授)
13:40 報告1 パンデミックと「いのち」の倫理―人のいのちを守るとはどういうことか?
安藤泰至(日本学術会議連携会員、鳥取大学医学部准教授)
14:00 報告2 パンデミックと差異の再構成
田中祐理子(京都大学白眉センター特定准教授)
14:20 報告3 生命倫理と感染症―生命倫理は感染症に対してどのように向きあってきたか(仮)
林芳紀(立命館大学文学部准教授)
14:40 報告4 科学ジャーナリズムの視点から
青野由利(毎日新聞社論説室専門編集委員)
15:15 コメント1
佐倉 統 (日本学術会議元連携会員、東京大学情報学環教授)
15:30 コメント2
吉水千鶴子(日本学術会議第一部会員、筑波大学人文社会系教授)
15:45 ディスカッション
16:50 閉会挨拶
吉岡 洋(日本学術会議第25期哲学委員会委員長、京都大学こころの未来研究センター特定教授)
 申込み 参加費無料・事前申込
以下のリンク先の申込フォームより、お申し込み下さい。
申し込みフォーム
 問い合わせ 日本宗教研究諸学会連合事務局
メールアドレス: jfssr20084(a)gmail.com ※(a)を@にしてお送りください。
備考 主催:日本学術会議哲学委員会
共催:日本哲学系諸学会連合、日本宗教研究諸学会連合